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ドイツの生活①

     2007年渡独 ◆ 

 

主人の仕事の関係でハンブルグに引っ越したのは200711月。当時、一人娘のはまだ3歳になったばかりでした。主人の職場はハンブルクから車で2時間以上かかる所にあったので、基本的には週末亭主、平日は母子2人の生活でした。

私自身はピアノは5才から始めたのですが、娘にはできるだけ早くから・・と多くのピアノ教師は我が子に夢を託すのではないでしょうか。クラシック音楽の本場、ドイツなのですから素晴らしい先生がきっと沢山いるはず。と娘の先生探しが始まりました。ハンブルグと言えば、かの有名なブラームス生誕の地。街には音楽があふれ、どの家からも楽器の音が流れ・・と普通は想像しますよね?ところが・・・。静かなんです。日本と違ってスーパーマーケットやレストランなどでのBGMが流れていません。そして若者の集まる繁華街では

やはり「うるさいな~」的な音楽が流れています。ブラームスは?ベートーヴェンはどこ?

~生活を軌道に乗せる~

幼稚園探し

私達の住居はハンブルグの中心から少し離れた静かな町に位置しています。イメージとしては大都市、神戸・大阪から少し離れた三田市、といった感じでしょうか。ですから都会でのあくせくした生活ではなく、年配者も多く比較的のんびりとした様子です。

3歳のを連れて歩いていると、いろんな人が声をかけてくれます。「鼻水がでてるよ」とか「前髪長くて目に入りそうだから切ったほうがいいよ」とか結構お節介。

引っ越した当初は車で15分のところにある日本人幼稚園、そして日本人小学校へ当然行くものだ、と考えていたのですが、現地の幼稚園への興味がふつふつと湧いてきました。公園へ行っても言葉がわからないために他の子供たちと一緒に遊べない。それでも一人でいるのは寂しいのでなんとな~く近づいていっていつの間にか一緒に走ったりしています。もともと人懐っこい性格のです。まだ言葉のコミュニケーションをあまり必要としない幼稚園だったら大丈夫かも。

という訳で、早速を連れて近所の幼稚園に入園申し込みに出かけました。

 

我が家から通園可能な距離にある幼稚園は3つありました。どの幼稚園も公立ではなく教会に付属しています。日本でいう保育園はなく、幼稚園といっても2才くらいから受け入れます。後から知ったことですが出産後、職場復帰を希望するママさんたちは妊娠中から入園申し込みをするとの事。私は全く出遅れていたのです。何も知らない私はを連れて申込に出かけました。電話でアポを取る勇気がなかったので「直接行ってしまえ!」と体当たりしたのですが、そんな外国人母子にとても親切に幼稚園内を案内してくれました。

 

幼稚園の様子は想像していたのとちょっと違います。日本の幼稚園のように、みんなでお話を聞いたり、みんなでお歌を歌ったり・・といった「みんな仲良く。」という様子ではありません。こっちでは絵を書いてる子がいるけど、あっちでは粘土で何か作っている。そして外で遊んでる子もいれば一人でボ~っとしてる子もいる。協調性が全くありません。あ、向こうで幼稚園らしい子供の歌声が!と目をやると、先生がギターを持って床に座り、子供たちもその周りに寝そべったりして歌っています。

幼稚園の先生で楽器のできる人はほとんどいません。ひとつの幼稚園に一人、ギターの出来る先生がいればそれでOK.みたいです。

どこがいい幼稚園か、なんて深く考えずに取り敢えず近所にある3つの幼稚園に申込みをかけました。

 

ドイツのリトミック教育

年も明けてすでに3月。ドイツに住み始めて4ヵ月以上の月日が過ぎていました。言い訳をするようですが、この4ヶ月、何もボ~っと過ごしていたわけではないのです。

ちゃんと幼稚園探しと並行して自分のドイツ語の講座、のピアノの先生探しと動き回っていました。ピアノの先生探しは予想以上にムツカシイ、というか情報がほとんど入ってきませんでした。日本ではリトミックの2歳児コースに通っていました。私自身、以前リトミック指導の勉強をし、幼児にとってリトミックはとても大切だと考えています。そこで取り敢えず、個人の先生が見つかるまではリトミックを、と視点を変え、ハンブルグ・コンセルバトワールのリトミックに通わせることに決めました。娘に音楽を!という気持ちよりはむしろに何かさせて外に出させてやりたい、エネルギーを発散させてやりたい、という気持ちが先行していました。

 

のリトミック通いが始まりました。

ここでも、主流はなんとギター。日本だったら完璧に私はアウト。だって私、ギター弾けませんから。日本のリトミックは音楽が中心ではあるけれでも同時に知育教材的な物を使用します。がこちらではそういったものは一切なし。音楽に合せ体を動かし、体で表現し、そして先生のギターに触ってみたり。

まだ3歳児のクラスなので親同伴なのですが、半分はママではなくパパ。夕方4時からのクラスになぜパパが参加出来るのか、日本人の私には理解できません。

リトミックで使われる歌はドイツ人なら当然誰でも知ってる歌なんでしょうが、私達には知らない曲ばかり。それでもの手前、焦りを顔には出さず、楽しそうな(?)振りをして、私頑張りました。

おかげでも結構楽しんで体を動かし、歌えるようになったフレーズはでっかい声で歌っています。

 

リトミックとは、演奏練習を早期からがむしゃらにやらせるのではなく、色々な音を聞き、それを感じ、理解し、音を組み合わせて音楽をつくり、その楽しさを味わいながら楽器に触れていきます。知育を組み合わせた英才教育を目的としているものではありません。

 

がハンブルグ・コンセルバトワールのリトミックに通い始めて数ヶ月がすぎました。このグループは約10人の3~4才の子供達が集まっています。以外、ドイツ人ばかりですが、なかにはとても内気でママの膝から離れられない子、好き勝手に動き回ってる子、など様々です。日本のママたちなら、もし我が子がこういうタイプの子供だったら、なんとかグループの輪に入らせようとあの手この手を使います。なだめたり、おだてたり・・。でもドイツ人ママは違います。「そう、やりたくないのね、じゃあ今日は見てようね」という態度。先生も決して無理強いはしません。それでも、少しずつ子供たちは心を開いて行くようです。「先週はしなかったけど、今日はやってみようかな・・」この気持ちはとても大切なことだと思います。

 

 

 

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