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ドイツの生活④

~ピアノレッスン始まる~

遂にSuslin先生に入門!

20091月。氷点下を10°C近く下回る毎日。道路はカチンコチンに凍てつき、空気は冷たいというより、肌に痛い感じ。それでも子供たちは帽子とマフラー、手袋、防寒着に厚手のブーツで体を覆い、外を走り回っています。

 

9月に4才になったは私のもとで、ピアノを始めました。

日本から子供の導入期の教材を持っていってなかったため、楽譜店めぐりをしてあれこれ探してみましたが、どれもピンときません。やはりズスリン先生の教材か・・?それにはやはり、まず読譜力が必要です。あの手この手を使ってに試してみますが、やっぱり母子はだめ。「こんなことぐらい、サッと出来る子、今までに私が教えてきた子達の中にも一杯いたのに、なんでこの子はこんな時間かかるのよ!」という私のイライラをは感知するのでしょうか?冷静に接しているつもりの私にイライラ・ムカムカをそのまま私に返してくる。やっぱり母子ではレッスンにならないなあ・・と実感。

 

そんな調子でもチョロチョロと弾けるようになったは私のレッスンに付いてきては、ズスリン先生の前で得意気に披露します。そのとんでもない演奏に、ズスリン先生は「もそろそろレッスン始めようか・・・?」と言って下さり、ついにレッスンを受けることになりました。とはいえ、4歳児の集中力なんてそんなに続くものではありません。取り敢えず、私のレッスン内で 気がむいた時の10分程度だけを見てもらうことにしました。

 

のレッスン その①

 ズスリン先生の自信の教材を使ってのレッスンが開始しました。

 

なんの説明もなく、いきなりメロディ奏から始まった。

「母親がピアノ教師なんだから、譜読みは家でやっておきなさい。」というこなのか?楽譜も何も知らない真っ白な4歳児にどうやって読譜を教えるか、見たかったんだけどなあ・・。

 

基本はノンレガート。目指すは腕の重力を使っての響きのある音作り。でも4歳のか細い指にはハードルが高すぎます。しかも、響く・・ということすら理解できません。教材には見開き2ページに8小節程度の短い曲が数曲のっており、それぞれに「明るいイメージ、暗いイメージ、楽しいイメージ」などを表現します。先生は一生懸命、弾いて聞かせてイメージを伝えます。はそれを聴いて、感じるままに教室中を踊りまくり、走り回り・・。ピアノを習っているんだということを忘れてしまいます。(*´∀*)

 

 

のレッスン その②

気が向いた時だけ 私のレッスンの時間の合間にちょこっと弾いてみる。そんなの機嫌を取るためか、ズスリン先生は毎回、必ずにお菓子を持ってきてくれるのです。最初は「わぁ!チョコもらった!」とビックリして喜んでたは、いつの間にか「はい、チョコ下さい。」と、だんだん厚かましくなってきた。そのうち、私もお相伴にあずかるようになり、先生は紅茶を水筒に入れて持参、必ずティータイム。次の生徒さんがないときは2時間位、だらだら過ごすようになってきました。(何だか間違っているような気がする・・。)

 

先生も、これではいけない、と思われたのでしょうか、「そろそろのレッスンにちゃんと時間を取りましょう」と言われたのです。私のレッスン中に少し時間を取るだけではなく、別の日に来なさい、と。それで、別の曜日にを連れて行くようになりました。ズスリン先生は子供のための教師。私としては、もう一歩踏み込んだ先がなくちょっと物足りなさを感じていました。なので、正式なのレッスンも始まったし、取り敢えず私のレッスンは打ち切ることにしました。

 

・・・ところが!私の語学力のなさ!!私がレッスンを止めることは簡単に理解してもらえたのですが(先生も止めたかったのかも。)私のレッスンの時間に取っていたのレッスンはそのまま残ることになり・・。なんとは週2回のレッスン(ティータイム付き)を受ける、というハードな毎日が始まったのです。可哀想な♥(T_T)

 

の発表会デビュー

 

  さて、成り行きで週2回のレッスンを受けるようになった。とはいってもレッスンの3分の2はお茶とオシャベリで時間は潰れていたのですが、それでも少しずつは進歩したのでしょうか・・。

 

ズスリン先生のレッスンが始まって約2ヶ月。音楽学校の毎月恒例の発表会に出ることになりました。曲は「すずめ」と「小さなハリネズミ」どちらも15秒程度の瞬間芸術!!

 

は最年少なので勿論トップを飾ります。発表会の冒頭に音楽学校長が前に出て挨拶をされるのですが、1番に弾くも校長と一緒に前へ出ます。「・・・・・では、1番は4歳のが弾いてくれます」という校長の紹介にピアノの前に座る

 

この時から日本へ帰国するまでのほぼ毎月、は発表会に出演するようになりました。最後まで最年少だったはいつも校長の挨拶の傍らに立ち、直々に紹介してもらえる様になりました。4才から毎月人前で弾くことが、やはり良かったのでしょうか。は人前で弾くことに余り抵抗がなく、むしろ家で練習している時よりも本番の方がマシな演奏をしました。

 

のレッスン その③

デッカルト先生とのピアノのレッスンが話題になったことがありました。

「誰にならってるの?」という質問に「ロシア人のJulia Suslin先生です。」と答えるとデッカルト先生はニヤッと笑って「あ~、知ってるわ。私の知り合いの子が習ってて、怖くって止めたって。」

 

早速家に帰ってからにその話をして「ねぇ、ズスリン先生って怖い?」って聞くと「怖いよ~、怖い!」

あれだけチョコレートもらったり、最近ではロシアの童謡をロシア語で教えてもらったり・・と楽しそうにしているのに。

 

でも、そういえばこんな事がありました。毎月出ている発表会。ズスリン先生は発表会の時はいつも、ピアノの目の前のど真ん中に席を取っています。(それだけでも生徒にしてはプレッシャー)

 

ある時、は日頃の練習不足がたたってか、ちょっといい加減な弾き方をしたのですが、その演奏中に「ちっ!」という舌打ちが聞こえたそうな。次のレッスンの時、は先生に「私が弾いてるとき誰かが、ちっ!って舌打ちした!」と言ったのです。ズスリン先生は少し考えて「私はしてないよ・・・。いや、したかもしれない。・・・う~ん、したかな。したした!」(する活用?)

 

そう、ズスリン先生は 今よく提唱されている「誉めて伸ばす」とは全く逆を行くタイプ。絶対に誉めてくれないのです。子供にとってはそりゃあ、怖く感じるに違いありません。

 

家での練習 

さて、遊ぶことが一番の仕事である子供達。親としても できるだけお友達と沢山遊んでくれるほうが安心です。

 

引っ越した当初は日本人の知り合いもなく、また幼稚園が始まってもお友達が出来るかどうか、心配もしましたが1年も過ぎると「今日はOOちゃん」「明日はXXちゃん」と毎日お約束が入るようになりました。は週2回のピアノの他に絵画教室にも通っています。(ここは日本人の先生の教室で、日本の子供達が集まり、私にとってもほっこり出来る場所なのです。)そして土曜日には日本人補習校の4歳児クラス。自分が日本人であることを忘れてもらっては困ります。

 

はどうして毎日そんなに忙しいの?」とドイツ人のお友達に聞かれます。習い事で週の半分が埋まっているなんて、ドイツ人の目には異様に写っているかもしれません。

ピアノの練習は毎日する。これは最低の基本です。幼稚園から帰ったらまずピアノ、それから遊びに行く・・。というのが理想的。でもなかなかそうはいきません。例えば「これからは4時からピアノの練習って決めようね」なんて約束しても「今日はOOちゃんと遊ぶから。」と予定が狂ってしまうのです。絶対に家にいて、誰からも邪魔されない時間はないかしら?という訳で、夜の8時から練習ということに決定!が4才を過ぎてすぐの頃からこの習慣は定着しました。これを聞いたズスリン先生の驚いたこと!8時と言えば寝る時間でしょ!!と。

 

私自身、若い頃から睡眠時間は5時間足らずでも平気。もそれに似たのか、結構平気。思う存分遊んだあと、夕食・お風呂。そして観念して8時から練習。朝は6時頃起床。

私って鬼母!?

 

ピアノの練習は夜の8時から。

実はこれはドイツでは超非常識なこと。ドイツ人は生活音に非常に敏感なのです。普通なら夜の8時にへたくそな楽器の音を出したりしたらご近所から苦情が殺到します。例えば昼の1時~3時(お昼寝の時間)は楽器に限らず掃除機や食器洗浄器の音なども控えるべき、とか。また日曜日は休日なので庭仕事もしてはいけないらしい。小さな子供に夜の8時からピアノを弾かせてたら警察に通報されるかも・・と内心ドキドキでしたが、幸いにも右隣の一人暮らしのお婆ちゃんは耳が遠く、左隣は資産家?なのか家の周りの庭も広くかなりの距離。という訳で安心してと一戦を交えることができました。実際、ピアノの音よりも二人がやり合ってる声の方がデカかったかも・・。(^^♪

 

 

 

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