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ドイツの生活⑥

~当地の音楽教室の様子~

Suslin先生の生徒たち

ズスリン先生のもとには約25人の生徒が通ってきています。日本ではピアノを習う男の子も勿論いますが、その数は女の子に比べるとかなり少ない。ですが、ズスリン先生の生徒は圧倒的に男子が多い。

 

そして先生がロシア人なので、ドイツ人とロシア人のハーフや、ロシア語を話せる国の人なども多い。ズスリン先生の一番弟子のアレキサンダー君もロシア人。少女漫画に出てきそうな美少年の彼は当時17才。いつも楽譜を一冊ちょっと丸めて教室に入ってきて、ショパンなんかをさらっと弾く、その横顔の美しいこと!この子モテるだろうなあ・・なんてオバサンの眼差しに気づいただろうか・・?

 

そしてうちを含めたアジア人も多い。このアジア系の人達、大体はお父さんがドイツ人でお母さんが中国人だったり韓国人だったりするわけだが、このお母さんたちのパワーが凄い。レッスンを後ろで聴いているのではなく、ピッタリ子供に寄り添い、バンバン質問を先生に投げかける。ズスリン先生から聞いたのだが、「うちの子は5才から字が読めて勉強も大好きでとても賢いんです。」とか、「うちの子は音楽が大好きでピアノも毎日20分も(!?)やるんですよ。」とか自慢と自信がすごいらしい。そしてその子供たちの寡黙なこと。先生が何を話しかけても「・・・・・・・。」先生もかなりやりにくそうです。

 

そして最近入門した、最年少の日本人  。 ピアノにほとんど座らず 歌ったり踊ったりする4才女子、かなりやりにくかったかも。(^^

 

ピンネベルク音楽学校 その①

ズスリン先生が所属されている音楽学校はピンネベルク市によって運営されている、いわゆる公立の音楽学校です。日本には楽器店が運営する音楽教室はありますが、市が運営する公立の音楽教室なんてありませんよね。また、日本の音楽教室の一番人気はピアノ。そしてバイオリン、それからフルートなどが続きます。

 

さて、このピンネベルク音楽学校には色々な楽器のクラスがあります。勿論、ピアノを習う生徒数はかなりですが、同じくらい人気があるのが、バイオリン、そしてギターです。以前に、幼稚園やリトミックで使用されるのはピアノではなく、ギターだと書きましたが、ギターに憧れる人が本当に多いようです。小学生からギタークラスに通う子供が沢山います。また、リコーダー人口も多い。ソロだけでなくアンサンブルも楽しみます。同じ学校内に色々な楽器のクラスがあるので、アンサンブルを結成するのも容易です。ピアノのクラスに通っていても、小さい時からソロだけでなくバイオリンやチェロとアンサンブルを楽しむことができます。

 

ピンネベルク音楽学校 その②

公立だからといって、レッスン料金がとても安い・・という訳ではないのですが、お月謝以外には何の負担もありません。例えば発表会。日本でピアノ発表会といえば、年に1回の晴れのステージ。数ヶ月前から選曲し、ホールの手配からプログラム作成まで講師の踏ん張りどころ。出演者も、いつもより練習に力が入り、日が近づくにつれ、緊張が高まってきます。保護者も大変。出演料以外にも、衣装に出費、当日は遠方からおじいちゃま、おばあちゃままでお祝いを持って駆けつけます。

 

さて、当地の音楽学校は・・・。先生の門下の発表会が年に一度ありますが、それ以外に音楽学校の発表会が毎月1回開かれています。その時に出来上がった曲があれば「今度の発表会、弾きまーす!」と発表会の23日前までに手を挙げればいいのです。勿論、出演料など必要ありません。皆、ジーパンにTシャツの普段着。その日によって、バイオリンがあったりフルートがあったり、ギター、ドラム、ハープなど様々です。プログラムも前日に印刷された紙切れで、出演は年齢順です。場所は、音楽学校のちょっと大きめの教室か、出演者が多い時は市役所の大広間、お花などの飾りつけは一切なしです。

 

一年に1回の発表会だと、気合が入って頑張る反面、「一年間の成果をここで発表。失敗は許されない!」というプレッシャーに勝てない子もあり、だんだん人前で弾く事に恐怖を感じるようになってしまいます。それに比べて、月に一度、人前で弾く機会があると、緊張してあがってしまうタイプでも、それなりに慣れてきます。このシステムは素晴らしい!

 

年に一度の門下の発表会は少し気合が入ります。とはいっても、やはり出演料などは掛かりません。ただ、各生徒2~3曲を用意、年長者になってくるとベートーヴェンソナタの全楽章を弾いた後にもう一つショパンのエチュード、なんて人もいます。休憩時間には母親が手作りのケーキやスナックを用意し、和気あいあいとした雰囲気です。

 

発表会の選曲 

発表会での選曲、これを決定するのは大変難しい。

 

舞台で100パーセントの力を出し切れる子には、いつもより少しレベルを上げて。遅くにピアノを開始して、余り年数が経っていない高学年の子にはテクニックよりも音楽性を重視して大人っぽい曲を・・。難しい割には聴き映えのしない曲は避けたほうがいいし、余りにみんなが知ってる曲も危険かしら・・などなど悩ましいところ。

ある程度のレベル、年齢になってくると、選択股も増えるし、本人の希望曲も出てきますが、始めて23年あたりの子供たちの選曲は大変です。

私の子供時代とは違って、導入期の選曲の選択肢は増えましたね。ギロックや邦人作曲家(春畑セロリ、轟千尋など)も好んで弾かれます。

 

さて、が4才で初出演してから帰国(8才)までの発表会曲、とくに前半のほんの初歩の段階での選曲は私にとって特に新鮮で興味深いものでした。例えば・・

 *すずめ (ルバッハ)

 *小さなハリネズミ (カバレフスキー)

 *馬上豊かに (グレチャニノフ)

 *スケルツォ (コッセンコ)

 *ロンド (グリエール)

 *タランテラ (マイカパル)  などなど・・・。

 

特に私はコッセンコ(Viktor Kossenko ロシア)とマイカパル(Samuel Majkapar ウクライナ)、グリエール(Reinhold Gliereロシア)の小曲が本当に気に入りました。短いながらも小さい手で存分に音楽表現ができる曲がいっぱいあります。

ズスリン先生はこの他にもよく発表会で取り上げるのが「グリーグ」。大好きだそうです。

 

 

 

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