1500年頃にイタリアで生まれたチェンバロは、鍵盤が並んでいて見た目はピアノに非常に近いものです。しかし、音を出す仕組みは全く違います。
チェンバロは鍵盤を押すと、取り付けられている爪が弦をはじいて音を出すのです。
その為、音を長く保つことが難しく、また強弱の変化にも乏しいものでした。
ちなみにイタリア語、ドイツ語では「チェンバロ」と呼ばれますが、英語では「ハープシコード」、フランス語では「クラヴサン」と言います。
17世紀末、イタリアのクリストフォリは弱音も強音も出せるピアノを開発しました。
これまでのチェンバロと違い、ハンマーで弦を打弦して音を発生させるメカニズムです。
その後、この技術はイタリアでは後継者がなく、ドイツ人のオルガン製作家が受け継ぎ、改良を重ねていきました。こうして出来上がったピアノはフリードリッヒ大王に献呈されJ.S.バッハが御前演奏しています。
日本に初めてピアノが紹介されたのは、19世紀初頭にさかのぼります。
具体的な日付や状況は複数の説がありますが、おおよその時期は1820年代から1830年代にかけて、オランダやオランダ商館を通じてピアノが導入されたと言われています。
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